ちょっと書きためないとやべぇ。
日曜は休日にして…
あの身体が一番の隘路だ。あの長い身体…例え先ほどのように頭の方を斬り、肉を裂いたとしても致命傷にはならず、暴れ回り抵抗されるだろう。それでは押しつぶされてしまうかもしれない。あの鋭い爪に捕まり、切り刻まれてしまうかもしれない。
抵抗される事なく葬り去るには。
(あの身体を…身体全体を叩くしかない)
グウェンドリンと協力し、一気に体力を奪う事が出来れば勝てるかもしれない。
一丸となって突撃するのは得策ではない。やはり再び、二人で分かれて追い込むしかない。しかしこれは二度目の作戦…二手に分かれても標的にはなるだろう。それでも、道を選んでいる余裕など無かった。
「グウェンドリン、もう一度、王冠を飛ばした時のように上空へ飛んでくれ。竜の首…喉元を狙って。全力でフォゾンを撃ち込むんだ。俺は腹の辺りを狙う。同時に撃てば…きっと」
グウェンドリンはオズワルドを信じて止まなかった。
先ほどの作戦は上手く行った。今回も上手く成功する。そう信じた。
大きく頷き、オズワルドが足に力を込めて立ち上がった。
二人で飛んでいる竜を見上げると、バレンタイン王が気づいた。
「レヴァンタンの力を受けてもなお立ち上がると言うか。よかろう…決着をつけてやろう。その身を切り裂きはらわたを吸い尽くし、結晶炉コルドロンの糧としてくれよう!」
口先の事ではない。レヴァンタンは本気だ。
その身を空から急降下させてくる。
「くっ!グウェンドリン、飛べッ!」
大地へと落ち、地響きを辺りに轟かせる巨体を避け、上空へと飛び立ったグウェンドリン。
落ちた一瞬の隙を突いて、オズワルドが剣を振り翳した。
体勢を立て直し、右腕の爪を奮わせて、レヴァンタンが反撃する。
ここ一番の力を振り絞り、レヴァンタンの身体を、打つ。蹴る。斬る。そして避ける。
多少の傷を受けようがお構いなしに、相手を怯ませる程、猛攻撃を嗾けた。
(このまま一気に…押しきるッ!)
手に持つ剣が黒く輝き、右肩から全身に黒いオーラが纏われた。
その刹那――――。
全てを凌駕する力を得る…はずだった。
なのに、今回は違った。
目の前から、急速に色が失われていく。
(な……に?)
世界が凍り付いたように、辺りに静寂が訪れる。
レヴァンタンの頭の上に乗って、不敵な笑みを浮かべるバレンタイン王。
バレンタイン王に操られるがままに、両腕の爪を振り回すレヴァンタン。
自分の作戦から命令したとおりに、上空から喉元を狙うグウェンドリン。
異変が起きた一瞬のまま、固まっていた。
(こ、これは一体…!?)
死神が己の命に鎌先をかけたのか。
不思議な世界に、目を白黒させて立ち止まる。
「この時を待っていた…」
「!?」