そろそろネタがねえ(ぉ
いや話のネタは筋通ってるからいいんだけど、更新ネタが。
ヘルモード疲れてきたよ(ノ∀`;)気分転換に絵の修行でもしようかしら
(再生…もしや、あの冠からフォゾンを吸っているのか?)
死に至る程の傷を瞬く間に治すほどの強力な再生力は、種に実をならせるフォゾンの力を以てしても難しい。
しかし、そのフォゾンの源…魔石の塊を傍らに持つ者であれば、その限りでは無いのではないかと察した。
事実、修復するためにフォゾンを放出したのかどうかは分からないが、先ほどより冠が輝いているように見える。何か反応があったのだろう。
だとすると、まずは力の供給源のあれを止めなければ。しかし、真っ向からレヴァンタンの頭に輝く冠を攻めてはレヴァンタンの餌食になるだろう。だが、標的は逃れる事無く明らかに自分に向けられている。全ての行動に警戒しているはずだ。背後に回り込む事はほぼ不可能とみていいだろう。
(このまま金のサイファーが尽きるのが先か、俺が影に飲まれるのが先か…!)
浮かぶ一つの選択肢に、オズワルドは賭けた。
命か、世界か。
竜殺しとして名を轟かせた自らでさえ、この様だ。この世界には、これを止める手段は到底無いだろう。それがオーダインだとしても…あの巨大な鉄球を模したサイファー、バロールを用いたとしても止めることは出来ないと感じた。
竜の鱗を切り裂くのはこの血塗られた魔剣のみだから。それが確信だった。
(止めてやるさ…俺の全てを擲ってでも…ッ!!)
オズワルドは歯を食いしばると、握る魔剣に力を込め始めた。
「オズワルド様!」
そこに、心地よい声が響く。
「な…!」
我に返り、背後から来る人物の姿を見た。
それは戦場を翔る青き鳥、ワルキューレの姿だった。
「グウェンドリン!?」
危険だからここに来てはいけないと言ったはずなのに。
危険を顧みず、愛する人を助け、守り抜きたかった気持ちは、グウェンドリンも同じだった。
「なぜここに来た!城に居ろと言ったはずだぞ!」
「オズワルド様の敵は、私の敵でもあると同義!それに、このような冒涜まで…!」
辺りには焼けこげた匂いが続く。
森は先ほどの炎の咆哮ですべてが焼かれ、古城の周りにあった緑豊かな美しい景色は、見るも無惨な廃墟と化していた。
鳥がさえずり、水がせせらぐ、あの美しい情景が消えた事が許せなかったのだ。
揺らぐことのない決意みなぎる瞳に、オズワルドは小さく頷いた。
突如加勢しに現れたグウェンドリンに、バレンタイン王の不穏な声が響く。
「これはこれは…オーダイン王の御嬢様…」
「バレンタイン王!我が父、オーダインの統べる地での暴挙、許さぬぞ!」
天に向けたサイファーの槍が一段と輝く。
憤怒で今にも飛び出していきそうなグウェンドリンに、オズワルドがバレンタイン王に悟られぬよう、視線をそらさずにこっそりと小声で喋り出した。
「グウェンドリン…あの金の冠を狙うんだ。あの王の冠さえ奪ってしまえばレヴァンタンを討つ事が出来るはず。だが、この状態で頭の上を狙うのは難しい…俺が地上で囮になる。君は上空から、冠を狙うんだ。いいね」
「ええ、わかりました…!」
グウェンドリンも視線をそらさずに、その言葉に小さく頷いた。
二人の思いが一つに重なる。
お互いを助ける事はあったが、協力して戦場に立つのは初めてだった。まさかこのようなことになろうとは。しかしオズワルドのために、オズワルドと共に戦えることに、グウェンドリンは嬉しくもあった。
「行くぞ!」
「はいっ!」
オズワルドの合図で、二人は同時に走り出した。
真っ直ぐに走り込み、徐々に間合いを詰めていく。
途中でオズワルドがグウェンドリンをちらりと見て合図を送ると、そこから左右二手に分かれた。
レヴァンタンの標的が一瞬揺らいだ事で、グウェンドリンは攻撃の手を免れた。標的は依然として、最も危険な魔剣を持つオズワルドに向けられていた。
それは思惑通りだった。
グウェンドリンは焼けて灰となり僅かに残った木の幹から、レヴァンタンの上空へと空を舞う。
それを地上からレヴァンタン越しに見上げていたオズワルドは、ここぞと言わんばかりに再び猛攻を嗾けた。気を引くように、手を、足を、身体をちょこまかと叩く。それを鬱陶しく思い、まるで逃げ出した小動物を捕らえようとするように、レヴァンタンが腕を振り回して暴れた。オズワルドの太刀が弱いというわけではないが、その攻撃によって消耗を得ようとしているわけではない。これは囮だ。効いていない証拠に、何やら主権を握るかのように愉しんでいるようにも見えた。しかしその余裕も冠を奪ってしまえば…。
オズワルドはグウェンドリンに賭けた。