やあ、久しぶり!
お待ちかねしてくれてる人ありがとう!な小説第2回だよ(ノ∀`)
ちょっとオズワルドのキャラが丸くなってる感じがするけど、これも愛故のアレって事で(ノ∀`;)
序章2幕…森の古城・森の古城の寝室
二人はテラスから、すぐ下の寝室へと降りてきた。
寝室といえど、上のテラスとはさほど変わらない景観が眼下に広がる。
赤いキャノピーに囲まれ、やんわりとした灯りに包まれたベッド。その奥には森と、遥か遠くに聳える霊峰、ウィンターホルンを臨むテラス。その壮大な景観を楽しむ古風のテーブルと、それに合わせたデザインのチェアが二脚。もちろん来客用などではなく、二人が歓談するために用意されたものだ。
二人はそのチェアに腰掛けた。ふっと溜息が、オズワルドから零れた。
「ここにこうして、グウェンドリンと居るのが一番落ち着けるよ」
「私も、オズワルド様のお顔を見ながらこうして居る時間が一番好きです」
グウェンドリンの顔が少し赤くなって、小さく笑う。
愛する者の愛おしい素振りに、オズワルドは心の奥が熱くなった。
「グウェンドリン…」
思わずグウェンドリンの白く淡い手を取ると、お互いの鼓動が高鳴るのが、お互いに分かった。
「オ、オズワルド様…?」
「グウェンドリン、このまま君と…」
グウェンドリンの青い瞳を見据える、オズワルドの赤い瞳。
握りしめた手に顔を寄せると、グウェンドリンの瞳がそっと、閉じられた。
さらに高鳴る鼓動をよそに、寝室の扉まで小さく鳴った。
いや、これは誰かがこの部屋に用事があって、扉をノックした音だ。
二人は身構える暇もなくその格好のまま、開かれた扉に視線をやった。
「グウェンドリン様、お休みになる前にナップルのハーブティでも…あ、あら…」
いいタイミングで割って入ってきた主は、グウェンドリンの姉のグリゼルダがワルキューレの将として躍進する前からラグナネイブル王国に奉公に来ている、気立ての良い、母親のような存在の優しいプーカ、ミリスだった。尤もその優しさも、このような事態になっている事を知る由もなかった事から、発揮されなかったが。
二人より少し小さい身の丈の、ウサギと言っても誤りではないその容姿。呪いによって姿はプーカに、時は止められて年を取る事がなくなっている。年を取らないと言えば聞こえがいいかもしれないが、肉体は尽きようが魂は留まり続ける…言わば生命の条理に反した呪いなのだ。決して良い事ではない。肉体が骸になろうが悪巧みを考えるというのなら、プーカの姿も悪くはないのかもしれないが。
そのミリスの瞳に映ったのは、月光の中、手を握り、唇が触れそうな所まで近づいたシルエット。
「ミ、ミリス!」
グウェンドリンが咄嗟に固く結ばれた手をほどくとチェアからすっと離れミリスの元へ。そして小さなプーカのミリスには手に余るトレイをひょいと持ち上げた。半分は重たい物を持たせては可哀想だという本心から。もう半分は、今の痴話事を別の事で紛れさせてしまおうという、とっさの抱懐だった。
「ああ、グウェンドリン様、私がやりますからお席に」
「え、ええ、ありがとう…」
「オズワルド様もいかがですか。心身ともにとてもゆっくりお休みになれる、ナップルのハーブティですよ」
それは見越してか、真心か。
ミリスは笑顔で、オズワルドにも紅茶を勧めた。
「あ、ああ…いただこう」
またオズワルドが照れ隠しに言う。
以前はミリスに恐れられ、仕舞いには魔法による目覚めない眠りについたグウェンドリンを庇おうと、強がりで負けん気まで見せつけられていたのに、今は二人のお互いの愛からか、ミリスもオズワルドを警戒しなくなった。こんな風に紅茶まで飲むのは、以前からしてみればありえない事なのだ。
ミリスが手慣れた手つきで紅茶をティーカップに注ぐ。
テーブルをはさみ向き合う二人の前に、甘い香りが上るカップが置かれると、ミリスはポットをテーブルに置いた。
「カップはそのままにしておいてください。後で私が取りに来ますから。では、私はこれで」
トレイを前に、ぺこりとお辞儀をして、早々に部屋から出ようとするミリスに、グウェンドリンが紅茶を飲みながら声を掛けた。
「今日は早いのね」
「ええ。今日は満月…私たちもどこか落ち着かないのです…グウェンドリン様が一層美しく見えるからでしょうか」
「!」
「な…」
やはり見られていたんだ。
心底でしまった、と思った。
特に悪いことはしていないのだが、グウェンドリンの母親代わりのようなミリスの手前で見られては、例え愛を誓った二人でも恥ずかしい事この上なかった。
グウェンドリンは紅茶を飲みながら姿勢は変えずに、オズワルドは思いっきり図星な事にたじろぎながら、顔を赤くした。
今日は辱めを受ける日なのだろうか。そうまで思えた。
「それでは、お休みなさいませ」
扉の前で笑顔でお辞儀をすると、静かに扉を閉めてミリスは出て行った。









